防災ギター

日本防災士会のスキルアップ研修会に参加して


昨日、日本防災士会のスキルアップ研修(Web開催)に参加しました。テーマは「歴史に学ぶ地震災害」、講師は伊藤和明氏(防災情報機構会長・元NHK解説委員)でした。

日本は、海溝型地震や内部直下型地震に見舞われてきました。研修を終えて、過去の歴史を振り返りながら、50年以内に90%以上の発生確率と言われている南海トラフ巨大地震への備えを常日頃から怠らない気持ちを新たにしました。

日本書紀に記載されている白鳳大地震(684年11月29日、推定M8~9、南海トラフ沿い)や貞観地震(869年7月13日、M8.4、陸奥)以降、歴史上最大の海溝型巨大地震となる2011年の東日本大震災(2011年3月11日、M9.0、東北)まで、日本では幾度となく巨大地震がありました。

東日本大震災は、南北500km、東西200kmの断層破壊により巨大津波(10~15m)が発生、死者・行方不明者が約1万9000人という激甚災害、まだ記憶に新しい出来事です。なお、過去を振り返ると、明治三陸地震(1896年6月15日、M8.2~8.5、三陸)でも大津波が発生、死者・行方不明者は約2万2000人、東日本大震災を上回る犠牲者が出たとのことでした。

今日の研修を聴きながら気づき、そして驚いたのは、近い将来必ず来ると言われている南海トラフ巨大地震による推定死者数が、多くは津波による犠牲者で、最悪23万1000人と予測されていることでした。東日本大震災や明治三陸地震の10倍以上の犠牲者が推定されているという事実。東日本大震災から10年たった今でも、十分な復興を果たしていない現状を鑑みると、南海トラフ巨大地震発生後の日本の姿を想像するのがとても困難でした。

研修を終えて、歴史を振り返ることの大切さを再認識しました。また同時に、これまで蓄積された様々なビッグデータをITやAI技術を駆使し、科学的根拠に基づいて、未来を可能なぎり正確にシュミレーションすることも可能になってきました。正しい理解や認識を持ちながら、来るべき南海トラフ巨大地震に備えていく(正しく恐れる)ことが必要だと思いました。