防災ギター

大学の恩師が送ってくれた新聞の切り抜き


僕の大学時代の恩師が4年前、ある新聞の切り抜きを手紙とともに送ってくれました。曹洞宗の尼僧・青山俊董(あおやま しゅんどう)愛知専門尼僧堂長のおはなしでした。以下にその内容を紹介します。

『一人の青年が参禅に来た。帰るとき、「先生、入試に合格するよう拝んでください」という。私は言った。「あら、二、三回落ちたほうがいいよ」と。眼をまるくしている青年に私は語った。

「エリートコースを突っ走るばかりが能ではない。そんな人生は、ひとつ間違ったら高慢な人間になりかねない。また、失敗に弱い人間になる。そんなことよりも、心身の柔軟なうちに上手に落ちる稽古、失敗する稽古、ころぶ稽古をしなさい。昔から『失敗が人間を駄目にするのではなく、失敗にこだわる心が人間を駄目にする』といわれているように」と。

さらに一歩進めて、失敗したことを跳躍台として、ストレートに合格した人よりもっと強く、高く立ちあがれたらよい。また、合格してもおごらない、失敗しても落ち込まない、成功、失敗、幸、不幸にがたがたしない人間になれればもっとすばらしい、と付け加えた。』        (掲載新聞及び年月日は不明)

 

今でも時々、この記事を読み返しています。・・・失敗が人間を駄目にするのではなく、失敗にこだわる心が人間を駄目にする・・・素敵な言葉で気に入っています。

ギター弾き語りの大失敗もこの記事を読んでから、心の傷が少し癒えました。社会人になって、あっという間に30年余りが過ぎました。50歳を超え、年齢と共に可能性が狭くなってきているのは間違いありません。次に何をするかがと問われているのだと思います。同じことを繰り返しながらも、どう進化するか、また恥をかき、新しいところへ飛び込む勇気も持っていたいと思います。よそにも行き、そこでもがくことも大事かと。